山口県立大学 国際文化学部教授 岩野雅子のホームページ


書籍名 著者名 出版社 コメント
「クロスボーダー宣言:
 国際交流を担う地球市民たち」
国際交流基金 鹿島出版会
(2005年)
 国際交流は身近に起こっている現象であることを認識してほしいため、ここ数年間、この本を授業のテキストとして使っている。すぐ隣の人が国際交流の仕掛け人であったり、お助け人であったり、国際交流行事のボランティアであったりすること。国際交流は振り返って自分たちの地域興しや人づくりにつながっていること。文化の力が、21世紀を切り拓くエネルギーとなること。これらを、33の事例から読みとってほしい。
「グローバリゼーション スタディーズ
 −国際学の視座−」
奥田孝晴
藤巻光浩
山脇千賀子
創成社
(2008年)
 2011年度の授業で指定したテキストです。コインの表裏のように、見る人によって異なる事実。新大陸の「発見」と「征服」、「言葉」に持たせる2つの異なる力、世界経済システムや展示文化が隔てた2つの世界、情報・食のグローバリゼーション、「共生」や「協力」をする側とされる側といった視点が浮き彫りになる。多角的に世界を見る力をつける本。
「多文化社会日本の課題
 :多文化関係学からのアプローチ」
多文化関係学会編 明石書店
(2011年)
 2011年異文化交流論ゼミで指定したテキストです。在日外国人、国際語としての英語教育、外国や日本のイメージなど、文化と文化が交り合う時に起こる課題について研究し、解決策を模索する過程を短くまとめてある。問題発見、研究目的の焦点化、フィールドでのデータ収集、分析、結果の報告といった視点から読み、卒業研究の参考とすることができる。
「多文化共生のためのテキストブック」 松尾知明 明石書店
(2011年)
 2012年度の授業で指定するテキストです。グローバリゼーション、多文化共生、文化とは、マイノリティとマジョリティ、日本社会と日本人などのキーワードが理解できるよう、教室で行えるエクササイズやワークが入った実践的なテキスト。この1冊を読み終えた時には、数多くの気づきや視点の変化が期待される。
国際文化学への招待
 :衝突する文化、共生する文化」
島根國士
寺田元一編
新評社
(1999年)
 文化の異なる人々が共生できるインターカルチュラルな関係を模索するという視座から、学際的な観点から文化的現象を分析する方法を示す本。21世紀における「国民国家」や「国民文学」の意味、言葉の翻訳可能性、比較文化の課題、活字文化に対する口承文化、オリエンタリズムなどのテーマを国際文化学から分析するとどのような解釈になるかを示す。
「芸術・メディアのカルチュラル・スタディーズ」 佐々木英昭
松居竜五編著
ミネルヴァ書房
(2009年)
 カバーに「マンガ、芸者、CMからイスラーム美術まで、国境を越えて媒介(メディア)する芸術、芸術するメディア。あらゆる<文化>的つながりを解きほぐす」とあるように、文化(コード)を読み解く手法を理解することができる興味深い本。文化創造学科生にはぜひ読んでほしい。