山口県立大学 国際文化学部教授 岩野雅子のホームページ
書籍名 | 著者名 | 出版社 | コメント |
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「多文化主義とは何か」 | アンドレア・センプリーニ著 三浦信孝・長谷川秀樹訳 |
白水社 (2003年) |
多文化主義が登場した要因、多文化主義の考え方に関する論争、個人的な空間と公的空間における多文化主義の捉え方、多文化的公共空間を創りだすことは可能か、政治的パラダイムから倫理的パラダイムへの移行等、多文化教育を考える上での基本的な争点について理解することができる。 |
「多文化主義社会の到来」 | 関根政美 | 朝日選書 (2000年) |
グローバリゼーションの捉え方、人種・民族・エスニシティの違い、多文化主義が目指すもの、民族自決運動と国民国家が掲げた理想と現実、多文化主義がもたらしたものについて、基本的な捉え方を把握することができる。 |
「多文化教育を拓く: マルチカルチュラルな日本の現実のなかで」 |
渡戸一郎 川村千鶴子編著 |
明石書店 (2002年) |
日本社会の中で広がるマルチカルチャルな社会的空間、その課題について捉えることができる。母子保健、教育、言語、国際結婚家族といった観点から多様性を育む社会の在り方について考え、また、オーストラリアの多文化主義や韓国における外国人労働者の教育権について観た上で、さらに日本の場合を振り返る。文化的寛容性と社会的寛容性について触れ、後者が課題であることがわかる。 |
「カルチュラル・スタディーズ」 | 吉見俊哉編 | 講談社 選書メチェ (2001年) |
イギリスのバーミンガム大学から発せられた文化研究の問い直しは、従来研究対象とされなかった領域に光を当て、研究や研究者の在り方を大きく変えた。カルチュラル・スタディーズが目を向けたもののなかに、サブカルチャーやエスニシティがあった。このような社会学の動きは多文化主義や多文化教育に大きな影響を与えた。この本の第V部、キーワードの解説は特に必読。 |
「動きながら識る、関わりながら考える :心理学における質的研究の実践」 |
伊藤哲司他編 | ナカニシヤ出版 (2005年) |
2011年度「国際文化学研究法」で指定したテキストです。副題には「心理学における質的研究」とあるが、その他の領域で研究を行う場合でも、質的研究のプロセスを理解するのに役立つ。街に出て「見る」こと、「聞く」こと、記録すること、考えること、そしてそこから何が言えるのかを分析する方法、分析したことをレポートにまとめる方法についてよくわかる。 |
「多文化共生政策へのアプローチ」 | 近藤敦 | 明石書店 (2011年) |
2012年度「多文化教育論」の指定テキストです。日本における多文化共生を考える時に知っておくべき事柄がコンパクトにまとめられた本。多文化共生の理念、歴史的展開、法律と政策、多文化社会日本の課題、教育問題などを理解した上で、多文化共生に関わる人材の育成という観点から実践的なアプローチについて具体的に知ることができる。 |